ぬちぐすいごよみ

年間行事

沖縄の“長寿の源”は行事にあり!

沖縄には一年を通して、多くの行事が行われています。神様へお願いや感謝をする祭り、祖先を敬う行事、子供の成長や年長者の長寿を祝う行事など。
その日には、お供えやお祝いの意味で料理が作られ、親類や部落の人達が大勢集い、ご馳走を囲んで和やかに過ごします。
地域や家庭によって多少の違いはありますが、沖縄に残っているこれらの一般的な風習を「年間行事」と「人生行事」に分け、その風習のあり方や方法、伝統の料理について毎回クローズアップしてご紹介したいと思います。

祭事紹介

清明祭(シーミー)について

沖縄の3大行事の一つ清明祭、通称シーミー。
清明とは中国古来の暦・二十四節気の一つで、旧暦の3月初旬(=新暦の4月の初旬)頃にあたる。中国から伝来した18世紀頃には農事に関し、祖霊に加護を求めるものであったが、だんだんと沖縄独自の祖先供養の行事に変化し、現在では主に沖縄本島中南部で行われている。

清明祭(シーミー)について

お盆について

沖縄では旧暦で行事を行う習慣がまだまだ残っています、お正月は糸満等の一部地域を除いて、だいぶ新暦で行うようになってきましたが、お盆は断固として旧暦7月13日~15日におこないます。お盆と言っても、沖縄では会社をお休みして「旅行だ!!」「リゾートだ!!」とはいきません(「お盆休み」という言葉も聞かないです・・・)。仕事は早めに終わらせ、主婦はお盆料理の準備を行い、親戚一同集まりご先祖様の供養を行います。それくらいお盆は「うちなーんちゅ」にとって大切な行事です。

お盆(シチグァツィ)について
沖縄の仏壇は家の中央に位置するのが一般的。
扉が無いのと赤い位牌が特徴です。

旧 暦 行事名 詳 細
1/1 元旦 若水を汲み、お茶湯や水撫でにする。正月の飾り。親族間の年頭まわり(正月焼香)する。
1/2・3 初起こし(ハチウクシー) 仕事初め。農村では初原、漁村では船起こし。三日に行うところが多い。
1/2~13 年日(トゥシビー)祝い※ 十二年ごとにめぐってくる生まれ年祝い。生まれ年の最初の十二支の生まれ日に行う。
1/4 火の神(ヒヌカン)お迎え 前年の暮れに昇天した火の神の降臨を迎える。元旦三日のところもある。
1/7 七日節句(ナンカヌスィク) 七草雑炊を神仏に供える。
1/14 小正月 塩漬された豚の骨付きの肉を炊き、霊前に供える。主に中頭、国頭。
1/16 十六日(ジュールクニチー)祭 後世(グソー)の正月で墓前祭を行う。一年以内に死者を出したところは自宅でも焼香がある。
1/20 二十日正月 二十日正月 正月の終わり、那覇の辻町では、ジュリ馬が行われた。正月飾りを取る。
1/中旬の吉日 初お願(ハチウグヮン) 家族の一年の健康を祈願する。
2/15 二月ウマチー 麦の初穂祭り。
2/吉日  春分・彼岸(ヒンガン) 仏壇に御三味(豚肉・天ぷら・豆腐・かまぼこなど)と餅などを供え、紙銭を焼く。
3/3 三月遊び 浜下り(ハマウリ)。三月御重と蓬餅などを作り、浜に出て、汚れを払い健康を祈願する。
3/15 三月ウマチー 麦の収穫祭。大折目、麦の大祭ともいう。
3/吉日 清明祭 沖縄の三大行事の一つ。沖縄本島のみ、門中単位で行う墓前祭。
4/吉日 畦払い(アブシバレー) 畦の草を払い、田畑の害虫を海に流す。余興に競馬・闘牛・角力などがある。
4/吉日 腰憩い(クシユクイー) 製糖作業終了の慰労。農家の骨休め。
5/4 四日の日(ユッカヌヒー) 豊漁祈願のハーリーが各地で行われ玩具市がたつ。各家庭でポーポーとチンビンを作る。
子供におもちゃを買い与える。
5/5 五月五日(グングヮチグニチ) あまがしを作り仏壇に供え、しょうぶの根をさして邪気を払う。
5/15 五月ウマチー 稲の初穂祭。部落・門中・家々の行事。祖先の神拝み。
5/吉日 原山勝負(ハルヤマスーブ) 耕地、農作物、家畜などの農事奨励祭。
6/15 六月ウマチー 稲大祭。稲の収穫祭で、大折目などといい、米、神酒を祖霊や拝所に供え豊作を感謝。
6/25 六月カシチー 新米の強飯を炊いて、健康を祝う。
6/吉日 プーリ 八重山諸島での収穫の感謝、願解き、来年の豊作祈願をする。
7/7 旧七夕 墓の掃除をする。
7/13~15 旧盆 13日に精霊を迎え(ウンケー)、15日にお送り(ウークイ)するまで祖霊を祭る。
16日はエイサーの日。
8/盆前の亥の日 シヌグ 豊作、大漁、豊猟祈願。男性祭祀集団を主とする儀礼。
8/盆後の初亥の日 ウンジャミ 海神祭。女性祭祀集団を中心に行う。
8/8 トーカチ※ 88歳米寿の祝い。斗掻きに赤紙を貼り、祝い客に配る。
8/10 八月カシチー 柴差折目、ヨーカビー折目、十日カシチーなどと言う。小豆入りの強飯で祝う。
8/15 八月十五夜 月祭り。吹上餅(フチャギ)を神仏に供える。
8/吉日 秋分・彼岸 二月の彼岸と同じ。
9/7 カジマヤー祝い※ 97歳の祝い。風車で祝う。
9/9 九月九日(クングヮチクニチ) 菊酒ともいう。菊の葉を酒盃に入れて、神仏、火の神に供え、家内安全を祈願する。
10/立冬 種子取(タニドゥル) 八重山諸島での10月中の甲、乙日に行う稲の幡種儀礼。
11/冬至 冬至(トゥンジー) 冬至雑炊(トゥンジージューシー)を神仏に供える。
12/8 鬼餅(ムーチー) 月桃(サンニン)の葉に包んだ餅を供え、家族の健康を祝う。
12/24 御顔解き(ウガンブトチ) 正月にお供えした火の神の祈願を解く日。台所の火の神の前を清め、洗米を供える。
12/29 年の夜 年越し。年越し豚骨(ソーキ)汁などを食べる。

※印の各トゥシビー、トーカチは人に関わる『人生行事』でも紹介しています。

人生行事

もともと沖縄にあったお祝いの風習と、本土から伝わったものがあります。長寿のお祝いは結婚式並みに盛大に行う場合もあります。

年 齢 行事名 詳 細
生後7日 満産祝い 産の忌み明けの儀礼。火の神、仏前、親族に命名を報告し、料理でもてなします。
生後一ヶ月 ハチアッチー(初歩き) 産後初めて赤ちゃんを連れて外出する儀礼。
生後百日目 百日記念 お宮参りをし記念写真を撮る。
生後九ヶ月と九日目 ククヌカン(お食い初めの儀式) 一生食べることに恵まれることを願い行う儀式。現在ではほとんど行われていない。
満1歳 タンカユーエー(初誕生祝い) 満1歳の誕生日を祝い、健康を祈願する。さまざまな道具を大きな四角盆に飾り、子供がそのいずれかをとるかによって、子供の性格や将来を占う儀式を行う。飾る道具は、男女、両親の職業や子供への希望、時代によりいろいろと変化しています。
七五三 七五三 もともとは本土の風習ですが、本土復帰の前後から一般的に行われるようになりました。
生まれて初めてのトゥシビー(生まれ年)を祝うもの。今では、学校の行事や、晴れ着での記念撮影が一般的です。
13歳 十三祝い トゥシビーのお祝い。トゥシビーとは、12年に一度めぐってくる自分の生まれた干支の年を祝うもので、 現在では「お祝い」となっていますが、もともとは「厄払い」だったといわれています。
25歳 トゥシビー トゥシビーのお祝い。トゥシビーとは、12年に一度めぐってくる自分の生まれた干支の年を祝うもので、 現在では「お祝い」となっていますが、もともとは「厄払い」だったといわれています。
37歳 トゥシビー
49歳 トゥシビー
61歳 六十一の祝い
73歳 七十三の祝い
85歳 八十五の祝い
88歳 トーカチ 旧暦の8月8日に行う。17世紀頃より伝来した長寿の祝いの風習です。トーカチとは、穀類を盛り上げて、掻き落し平らにする棒のこと。
97歳 カジマヤー祝い トゥシビーを祝うもので旧暦の9月7日に行う。カジマヤーとは「風車」のことで、九十七歳になると童心にかえって風車を持って遊ぶことから祝いに風車を飾るようになったそうです。今では、最高の長寿祝いとして行政的にも盛大な祝賀の催しが各地で行われています。

※各トゥシビー、トーカチはお祝いする日が決まっているので『年間行事』でも紹介しています。